お客さんから「知り合いの家なんだけど、ちょっと見てもらう事ってできる?」との
依頼があり、早速行ってみると、こんな事になっていました。

(けっこう幅広く割れています。)
この家は、築38年とそれなりの年数を経過しています。
この頃の基礎だと多分、無筋基礎である可能性が高いので、鉄筋基礎と
比べても、この状態は危険です。
無筋基礎というのは、その名の通り基礎に鉄筋が入っていない基礎です。
つまりコンクリートで固めただけの基礎という事になります。
昭和56年以前の旧建築基準法で造られた家は、この無筋基礎である事が
多いのです。
当時はこれで良かったので、お金の掛からない無筋基礎が多く使われました。
今は無筋基礎なんてとんでもない話で、鉄筋の大きさ(直径)や配筋の間隔など
細かく決められています。
鉄筋の入った基礎であっても、この様に基礎にひびが入っていると、そこから
雨などによって水が浸入して、鉄筋を腐食させて行きます。
そして、鉄筋の腐食はどんどん進み、そのうち鉄筋全部を腐食させてしまいます。
基礎は建物の重要な部分なので、このまま野放しにしておく訳にはいきません。
補強する方法は何通りかあるので、どの方法で補強するのか?を相談します。
東南海地震が来る来ると叫ばれているこの頃、建物の耐震補強はとても重要だと
思います。
今回は基礎の亀裂という、ちょっと深刻な問題なので、それ相応の工事をしなければ
いけませんが、地震対策は何でも建築業者が行うという訳でも無く、
皆さんの家で出来る比較的簡単な地震対策もあります。
例えば、窓に割れ防止フィルムを貼ったり、テレビや冷蔵庫などに固定金具を
付けたりする事です。
これだけの事で地震の被害に会う可能性は低くなります。
「まあ、そのうちにやろうかな・・・」なんて事言わずに、なるべく早く対策して下さいね。
いつ起こるか?分からないのが自然災害(今回は地震)。
こんな事を話している瞬間に来るかも?しれません。
「あー、あの時対策しといて良かった」と言える様にしたいですね。


