タイトルに相隣関係と言う難しい言葉が出ていますが、
これは「そうりんかんけい」と読みます。
「相隣関係」とは主に不動産用語で使われる言葉で、
その意味合いは・・・
「隣接する不動産の所有者間において,
通行・流水・排水・境界などの問題に関して、
相互の土地利用を円滑にするために,
各自の不動産の機能を制限し調整し合う関係」
と言う感じ。
なんか言葉で書くと難しく感じますが、
要は、お隣さんとの敷地同士の法的な関係です。
最近は、お隣さんでもあまり接触が少ない
事が多いので相隣関係は割と気を使います。
あるお客さんから
「お隣のフェンスに車をぶつけちゃった」
と、相談がありました。
取り敢えず見に行ってみます。
うん?どこをぶつけたんだ?
パッと見は全然分かりませんでした。

フェンスに近づいてよーく見てみると、
縦格子の部分が歪んでいました。
「車をぶつけた」って言うから、
てっきり大破してるのか?と思ったけど、
比較的軽傷です。

この程度なら別にいいんじゃない?
とも思いましたが、これが自宅のフェンスだったら
このままですが、残念ながらお隣のフェンスなんだよね。
さすがにこのままと言う訳には行きません。
お隣の方と話したら
「壊れた所だけを直してくれればいいです」
との返事でした。
このフェンスは1枚が約2mの物を
繋ぎ合わせてあります。
見てみたら1枚を交換すればいいだけでしたが、
ここで大問題が!
このフェンスは既に生産が終わっており、
同じ物が無いんです。
そこである事を思いつきました。
お客さんの家とお隣の家は建売住宅で、
お互いの敷地のフェンスは同じ物が使われています。
そこで、お客さんの家のフェンスとお隣の家のフェンスを
交換すれば取りあえずの問題は解決できます。
・・・が、ここで問題は
①お隣さんがお客さんの家のフェンスと交換を承知するか?
②お客さん自身もそれをヨシとするか?
があります。
お客さんは「それでいいなら!」と、
簡単にOKしてくれました。
問題はお隣さん。
僕が直接会って事情を説明して、
いろいろ説得したら、なんとかOKしてくれました。
良かったー♪
お客さんと、お隣さんは普段からコミュニケーションを
それなりに取っているので
「全部新品に交換しろ!」
なんて事は言えなかったんだと思います。
これが仲が悪いと
「全部交換!」とか言い出して、
間に入る僕がメッチャ苦労するんです。

話しが済めば、後はフェンスを交換するだけです。
簡単じゃん♪
・・・と、思って作業に入ったら、
フェンスを止めているビスがナメていて、
ドライバーが利きません。
誰がやったんだよ!ヘタクソ!
一難去ってまた一難とはこの事。

いろいろやってみたのですが、
どうしてもビスが回らないので強硬手段を取ります。
どうするか?と言うと、ドリルでビスを粉砕します。
・・・念の為、予備のビス持って来ておいて正解でした。
転ばぬ先の杖とはこの事。
ま、僕の場合は「転んでから慌てて何とかする!」が正解か。

苦労の末?取り外し成功!
お客さんの家のフェンスのビスは
すんなり取れました。

取付は外した時の真逆をやるだけ。
簡単です。

お隣のフェンスを外す以外は難なく終了!
個人的に思いますが、仮に新品があったとして、
それを取り付けたら、どうしても「新しい」「古い」
が出てしまいます。
今回の様に、お隣同士で交換した方が
違和感なく仕上がります。
この辺りもお隣との関係が大きく
影響して来ますよね。

お隣同士で厄介事にならなくて良かったです。
暑い中での作業でしたが、
気持ち的には楽に進められたので、
暑さはあまり気になりませんでした。

相隣関係って拗れる(こじれる)時はトコトン拗れて、
最悪の事態は殺人事件にまで発展するケースもあります。
かなり昔の話ですが、お客さんから頼まれて、
知り合いの弁護士に相隣関係で相談に行った事がありましたが、
そん時に「相隣関係だけはやらない」と
キッパリ断られた事がありました。
専門職でも断るくらい面倒みたいですね。
最近は「隣は何をする人ぞ・・・」
なんて方が増えてる気がしますが、
最低限のコミュニケーションは取っておいた方が
良いのでは?と個人的には思います。
僕の家ではお隣さんとは仲良くやっていますが、
お隣の旦那さんが先々週の町内会の寄り合いの後の懇親会で
一緒に飲んでから僕を避けている気がします。
挨拶しても顔は笑顔なんだけど目が怯えてるんだよね。
なにした?
怖くて聞けない・・・


